独り言シリーズ! アッパーリンクについて [MOA編]
アッパーリンクの長さについて:
アッパーリンクがアクスルのクロッキング*[モーター、キャスター角]を司っております。アッパーリンクが長ければ、モーターが立ちます[上がる]し、アッパーリンクが短ければ、モーターが寝た[下がる]
状態になります。
モーターが立つと重心が高くなりますが、障害物への干渉が減り、走らせやすくなりますし、モーターが寝ていると重心は低くなりますが、障害物への干渉率が高くなるので引っかかりが多くなります。
アッパーリンクが長いと、ねじれた時の状況変化が穏やか[予知し易い]、アッパーリンクが短いと、ねじれた時の状況変化が激しい[予知し難い]。アッパーリンクが長いと、アクスルステア*が起こりやすいので、V字等で運転し難い場合は、アクスルステア*を消す方向でアッパーリンクを短くするとよいでしょう。一長一短なので、ちょうど良いセッティングを探ってみて下さい!
アッパーリンク長 = 長い
- モーターが干渉し難い
- 重心が高くなる
- コントロール重視で、マイルドな特性
- アクスルステアが大きい
アッパーリンク長 = 短い
- モーターが干渉しやすくなる
- 重心が低くなる
- ピーキーな特性
- アクスルステアが小さい
?????用語?????
*クロッキングとは、アクスルを横から見た状態でのCハブの角度[キャスター角]やモーター角度をさします。
*アクスルステアとは、上からマシンを見てシャーシのみ左右にねじったときに前後のアクスルが平行を維持していればアクスルステアが少なく、シャーシを左右どちらでもねじったときに平行を維持できていなければ、アクスルステアが大きいと判断できます。
アッパーリンクの取り付け位置について:
アッパーリンクの取り付け位置は、サスペンションのジオメトリー*に関係するので重要な役割を果たしております。但し、アッパーリンクのみでサスペンションのジオメトリーを大幅に変えることはできませんので、当然、ロアリンクとの関係も理解しないといけません。アッパーリンクについては、参考程度に頭の中に入れておき、ロアリンク取り付け位置との兼ね合いを考えながらセッティングを行ってみて下さい。
アクスル側のアッパーリンク取り付け位置について;
・アクスル側のアッパーリンクの取り付け位置を上げると前方から見た場合、ねじれる基点が上方に移行して行きます。
・アクスル側のアッパーリンク取り付け位置を下げていくとねじれる基点が下がっていきます。
・アクスル側のアッパーリンクの取り付け位置を中心寄りに取り付けるとアクスル側のアッパーリンクの取り付け位置がねじれの基点になり、
・アクスル側のアッパーリンク取り付け位置を広げると、ねじれの基点は、ロアリンク又はシャーシ側の取り付け位置が基点となります。
シャーシ側のアッパーリンク取り付け位置について;
シャーシ側のアッパーリンク取り付け位置を上部に持って行くと突っ張りやすい傾向となります。ねじれに対しても突っ張りやすくなる傾向が強いので、短めのアッパーリンクが突っ張らず、ストレスの少ない張り方になり、アクスルステアも少なく、癖のないマシン制作の定番となるでしょう。また、シャーシ側のアッパーリンクの取り付け位置を下げていくと前後のツッパリ感は、減少する傾向になるでしょう。ただ、突っ張りやすい、突っ張り難いという状況を司るのは、ロアリンクのシャーシ側の取り付け位置[シャーシ高]が最も影響力が強いので、合わせて考える必要があります。
アクスル側のアッパーリンク取り付け位置をできるだけ前方に配置することにより、突っ張りにくく、アクスルステアも少ない、さらには、予知しやすい足回りを実現するでしょう。
ジオメトリーについて;
サスペンションのジオメトリーの基本は、前方から見た場合に前後のアクスル中央部分[デフ玉]を基点とし、前後のサスペンションがねじれることが理想とされております。このジオメトリーが適切であれば、悪路における直進安定性[トレース性]、岩等にフロントタイヤをかけた時にずれなどによるグリップ喪失が起こり難くなります。逆に前後のアクスルのジオメトリー基点がずれている場合は、ずれ幅に応じ、上記の特性が逆に働きやすくなります。
?????用語?????
*ジオメトリーとは、前方からマシンを見た際にサスペンションのねじれを起こした際に、前後のアクスルのブレ幅を指します。
アッパーリンクについて少々記載させていただきました。これらの情報をもとに色々なセッティングを試してみて下さい~!